藤井薫法律事務所 TEL: 06-6316-7311 藤井薫法律事務所 メール問い合わせ(24時間受付)
トップページ 遺言・相続の知恵
取り扱い案件
弁護士プロフィール
ご相談・ご依頼について
弁護士費用
顧問契約
当事務所の特徴
弁護士探しのQ&A
遺言・相続の知恵
information(お知らせ)
アクセス
メール問合せ(24時間受付)
アクセス
藤井薫法律事務所
〒530-0047
大阪市北区西天満5丁目14番7号
和光ビル 6階
TEL:06-6316-7311
FAX:06-6316-7312
>>詳細地図はこちら


当事務所は、とりわけ遺言・相続の案件をよく扱っています。
その内容は交渉・調停・審判・裁判などですが、解決するまでに時間がかかることが多く、当事者には心理的・経済的負担が重くのしかかります。弁護士として、「あのとき、こうしておけばよかったのに」と思うことは少なくありません。そこで、相続紛争を招かないための知恵をお伝えします。


遺言は本当に必要か。
新聞や週刊誌では「遺言」がブームですが、誰でも遺言書を作成する必要があるのでしょうか。
たとえば、お子さんが1人だけで、その子が唯一の相続人なら遺言は不要です。しかし、配偶者と離婚し、再婚されるとなると事情は変わります。よく言われるように「前妻の子と後妻」は相続でもめる典型例だからです。本当に遺言が必要かどうかは、それぞれのご家庭によってかわるのです。

ページ先頭へ


どんな場合に遺言が必要か。
相続紛争が起きる典型例としては、上記以外に「子どものいないご夫婦」、「内縁関係のご夫婦」、「子どもたちの1人が親の面倒をみている(同居している)」場合、「法定相続人の中に行方不明者や海外在住者がいる」場合、「事業承継」の場合、「収益不動産がある」場合、「負債が残っている」場合、「法定相続人が1人もいない」場合などがあります。
ご相談をうかがっていても、「再婚」、「内縁」、「養子縁組」、「会社」、「介護」、「生前贈与」、「勘当(廃除)」などの言葉が出てくるときは要注意なのです。

ページ先頭へ


遺言を残せば、相続紛争は予防できるか。
残念ながら、遺言は万能ではありません。あくまでその内容が問題です。
たとえば、相続人の1人に全財産を相続させるという遺言では他の相続人から遺留分減殺請求を受けることになりかねません。また、内容が不明確な遺言や(自宅など)一部の財産の処分だけを指定した遺言(一部遺言)は、紛争の種をまき散らすようなものです。遺言がなければ相続紛争は起きなかったケースもありますから、遺言書を書く場合には細心の注意が必要です。

ページ先頭へ


紛争予防に役立つ遺言とは。
紛争予防に役立つ遺言とは、@遺言能力や形式要件を満たし(有効性)、A財産処分の内容が一義的に確定でき(確定性)、かつ、B相続人が納得できる程度の公平さ(公平性)をそなえた遺言です。
そして、@については公正証書遺言の形式を選択し、Aについては弁護士の知識を利用し、Bについては相続人たちの気持ちをよく考え、日頃からご家族でよく話し合うことが重要です。以下、この順にご説明します。

ページ先頭へ


自筆証書遺言はなぜ危ないのか。
民法は自筆証書遺言という遺言の形式を定め、年間約2万通の自筆証書遺言が作成されています。しかし、自筆証書遺言は形式的要件を満たさなければ無効で、紛失・偽造・隠匿の危険があり、検認の手間もかかります。それに、1人きりで作れるだけに、遺言能力の有無を争われる危険もあります。実際に紛争が起きるケースの多くは自筆証書遺言ですから、この形式をお勧めできません。

ページ先頭へ


公正証書遺言なら安心できるか。
これに対して公正証書遺言なら形式的要件を満たし、紛失・偽造・隠匿の危険も回避できますから、公正証書遺言を選択すべきでしょう。公正証書遺言は年間約10万通作成されていますし、全国の公証役場で公正証書遺言の有無を確認でき、検認手続も不要です。
もっとも、公証人は形式の確認が仕事ですから、遺言者と一緒に、あれこれ遺言の内容を考えてくれるわけではありません。遺言の内容は弁護士に頼み、作成は公正役場を利用するのが鉄則です。

ページ先頭へ


いつ遺言書を書くのか。
「まだ元気なのに、遺言なんて縁起でもない」とお考えの方も多いでしょう。お気持ちはわかりますが、やがて認知症になれば遺言能力を失いかねません。心臓疾患や脳血管疾患などの病気に見舞われた場合も同じです。せっかく遺言書を書いても遺言能力に疑問があると遺言無効確認訴訟といった紛争が起きることがありますから、元気なうちに遺言書を書いてください。
ただ、最近は長寿社会ですから、逆転相続が生じることもあります。したがって的確に場合分けした条件付遺言を作れるかがポイントになります。

ページ先頭へ


認知症になれば遺言できないのか。
誰に何を相続させるのかを理解し判断する能力がなければ遺言はできません。これを遺言能力といいます。認知症がひどくなれば認知機能障害が進みますから遺言能力は失われますが、認知症にも様々な程度があるので、一概に認知症になれば遺言能力がないとはいえません。
したがって認知症が軽い場合なら遺言できますが、その場合には、日ごろから遺言者の生活状態や会話を記録しておく、かかりつけの医師に長谷川式知能評価スケール試験を実施してもらう、遺言書を作成する様子をビデオで記録するといった工夫をお勧めします。

ページ先頭へ


自分で遺言書を書こうとされている方へ。
いざ遺言書を書こうと思っても、「じゃあどうやって書けばいいんだ」という問題に直面します。なにやら形式が難しいようだし、内容もとんと見当がつかない。遺言書の書き方の本を買って読んでみても、次から次に疑問がわいてくる。それが当たり前です。でも、失礼ながら「自分で遺言書を書く」という発想自体が間違っているのです。
遺言は、あなたの財産のうちのどれを誰に渡すかという重要な内容を含みます。ですから、適切な遺言書を作るのは複雑な契約書を作成するようなもので、1人で書くのは至難です。したがって、弁護士に自分の意見を伝え、間違いのない遺言書の文案を考えさせるのが賢明な選択です。これは自筆証書遺言の場合も公正証書遺言の場合も同じです。

ページ先頭へ


完全な内容の遺言とは。
遺言書を書くときは、将来の不確定な状況を予想しなければなりません。厳密にいえば、遺言では相続人(配偶者や子ども)が自分より先に亡くなった場合はどうするのかまで確定するべきなのです。これを条件付き遺言といいます。また、すべての財産の処分を決めておかなければ一部遺言となって、遺産分割協議が必要になり、いったい何のために遺言書を作ったのかわからなくなります。
このように、正確な遺言を考えるのは容易ではありません。その点、弁護士は日常的に紛争処理にあたっていますから、ここが危ないということに気づくことができます。ですから、紛争予防のために弁護士の知恵を利用していただきたいのです。

ページ先頭へ


もめない遺言とは。
いちばんもめないのは法定相続分どおりに近い内容の遺言ですが、自宅など不可分の財産もありますから、法定相続分どおりの分割は難しい。したがって、多かれ少なかれ、相続人間の不平等を生じることは避けられません。しかし、遺留分を侵害するほどの差がついてしまうと、遺留分減殺請求という類型の紛争を招きます。ですから、できれば遺留分を侵害しない内容にするべきですし、生前贈与、養子縁組、生命保険など紛争の種がある場合には、それらを含めて公平な内容になるよう配慮するべきでしょう。

ページ先頭へ


相続人に相談すべきか。
遺言書を書くと決めた場合に、相続人にそのことを告げて意見を求めるのか、誰にも言わずに遺言書を作るのかは迷うところです。ただ、相続人の1人だけに相談するとほかの相続人の不満を招きますのから注意が必要です。相続人の1人と親密な弁護士や税理士に相談して遺言書を作成する場合も同じです。できることなら、相続人全員を集めて、こういう内容の遺言を書くと宣言するのが望ましいでしょう。

ページ先頭へ


相続税法の改正とは。
平成27年1月1日以降に生じた相続から、改正相続税法が適用されています。
これにより基礎控除がこれまでの5,000万円+法定相続人の数×1,000万円から、3,000万円+法定相続人の数×600万円に変更されました。
たとえば、法定相続人が子ども2人、相続財産が7,000万円の場合なら、平成26年までは基礎控除が7,000万円なので非課税扱いでしたが、平成27年1月以降は同じケースで基礎控除が4,200万円しか認められませんから、差額の2,800万円につき相続税が課されます。

ページ先頭へ


相続税対策と相続対策の違いは。
相続税対策の方法としては、生前贈与・相続時精算課税制度・配偶者税額軽減措置・生命保険・養子縁組・不動産活用などがあり、新聞・雑誌では頻繁に特集が組まれています。しかし、これらの相続税対策は、法定相続人間に不公平を生じさせることになりかねません。とくに、事前説明を受けていない相続人には不満がたまります。
これに対して、本当の相続対策は、相続税対策だけでなく相続紛争の防止を図るものです。そのためには各相続人たちの立場や気持ちを考え、ある程度の公平性を確保する必要があります。

ページ先頭へ


両親の一方がお亡くなりになった場合の相続。
たとえば父親が先にお亡くなりになった場合、配偶者税額軽減を活用して母親が全財産を相続するといったケースが多く見受けられます。残された母親は将来の不安から全財産を相続することを望みますし、子どもたちも母親の意見には逆らえません。
しかし、このようなケースで母親が歳をとると母親の介護などを巡ってトラブルが生じ、果てには親の取り合い、遺言書の書かせ合い、一方的な成年後見申立などに発展することがあります。こうなると、母親の相続でもめるのは当然です。ご両親の一方がお亡くなりになった時には問題を先送りせず、しっかりと相続問題に向き合って下さい。

ページ先頭へ


子どもたちに言ってはいけない言葉。
遺産分割調停などでは、「私は親からこう聞いた」という話がよく出てきます。とくに多いのが「長男が冷たくする」、「嫁が食事を作ってくれない」、「お金(通帳)を取り上げられた」といった話です。それが本当なら致し方ないのですが、子どもの関心をひくためにそう言ったとしか思えないケースもあります。
齢をとれば誰でも不安になりますから、子どもに大切にされたいと思うのは人情ですが、これを聞いた子どもは、「やはりそうか」と簡単にそれを信じてしまいがちです。そして、いったん生まれた疑心は黒雲のように広がり、親の死後、「親をひどい目にあわせた」、「どこかに財産を隠しているはずだ」という出口のない紛争が始まります。ですから、できるかぎり子どもの悪口を言わないようにしてください。

ページ先頭へ


親を介護されている方へ。
子どもが一人暮らしの親の面倒を見るために同居するという話は少なくありません。しかし、美談には落とし穴があります。
夜中に起こされ、親のおむつを替え、警察署に迎えに行くといった介護の苦労は、親と同居していないほかの兄弟にはわかりません。そんな生活を5年、10年と続ければ、相続でたくさんもらって当然だと思うようになります。ところが、親子間にはもともと扶養義務があるので、親族による介護は格別の事情がない限り寄与分にあたりません。それどころか、ほかの兄弟からは、親と同居して親の財産を食いつぶしているのではないかと疑われ、特別受益を主張されることもあります。

ページ先頭へ


疑心暗鬼を生じさせないために。
このように、誰が悪いわけでもないのに諍いが起きるというのが相続紛争の悲劇です。ただ、これを避けるための方法がないわけではありません。
まず、親子が同居している場合に、親の財産と子の財産を完全にわけて管理することは鉄則です。ともすれば同じ銀行口座で管理したり、親の預金を流用したりしがちですが、後になって「横領だ」と言われることもあります。親のお金を自分のために使っていないということの証明はきわめて困難ですから、親のために使ったお金については面倒でも通帳に出入りを記録すべきです。

ページ先頭へ


介護の苦労を知ってもらう。
離れて暮らしている兄弟には、こまめに親の状況を知らせておくことが重要です。
手紙や写真で親が元気に暮らしていると知れば、ほかの子どもたちも安心できます。日記をつけたり、ビデオに撮ったりという日常的な作業も行ってください。定期的に親の銀行通帳の写しを送るなどしていれば、ほかの兄弟も疑いようがありません。これに対して、遠くの兄弟に知らせずに養子縁組をしたり、親のお金で自宅の増改築をしたりすると確実にトラブルを招きます。

ページ先頭へ


成年後見を利用すべきか。
親が認知症になった場合などは、成年後見を申し立てるという方法があります。成年後見人が就けば、親のお金を管理してもらえるので、金銭面での疑心暗鬼を招くことはなくなります。
しかし、まだ親がしっかりしているなら、なぜそんなことをするの、と怒り出すことがあります。また、成年後見人の審査ではほかの相続人の意見も聞きますので、申立人自身が成年後見人になれるとは限りません。したがって、成年後見を利用する場合には事前に弁護士に相談されることをお勧めします。

ページ先頭へ


相続人に対する気持ちを伝える。
最近、遺言書やエンディングノートで「家族への感謝の気持ちを伝えましょう」というマスコミの記事が目につきます。しかし、弁護士としては、相続人に対する感謝の気持ちを必要以上に綴ったり、逆に恨みごとを書き込んだりすることには賛成できません。
子どもは親に愛されたい。それは本能です。これまで自分は親から嫌われてるように思うこともあったけれど、本当は親に愛されていたんだと思いたい。それを親が最後に残した遺言で確認したいと思うのが人情です。ところが遺言書では別の子のことばかり褒めてあって、自分のことは書いていない。いや、非難されているとしたらどうでしょう。その遺言をすんなり受け入れようと思うでしょうか。こうした事案での当事者の気持ちは「くやしい」のひとことに尽きます。
親である以上、最後まで子どものことを考えてあげてほしいのです。

ページ先頭へ


遺言信託を誘われている方へ。
遺言信託とは、信託銀行が富裕層を顧客として取り込むために平成6年頃から用いた言葉です。
遺言信託は、本来、相続財産を信託銀行に預け1人で生活できないような相続人に年金のような形で支給することを意味しますが、もちろんそんなケースは稀で、実際には遺言書作成と相続手続の代行が業務の中心です。金融機関とすれば遺言の相談を受けることでその人の全財産を掌握し、金融商品を売り込むメリットがあるのでしょうが、費用は弁護士会の旧報酬基準より高額であるうえ、問題が起これば弁護士や税理士の費用は別途加算されますから、お得というわけでもありません。
大きな金融機関のきれいなパンフレットの方が信用できるという気持ちも理解できますが、最初から弁護士に相談されることをお勧めします。

ページ先頭へ


Copyright © Fujii Kaoru Law Office. All rights reserved. 当サイト内の文章・画像の無断転載を禁じます。